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毎朝五キロメートル走っている。
部活では毎日七キロメートル走っている。
それでも足りないと感じるのは、俺が焦っているからだろうか。
時間がない。
死期の迫った音楽家のように足掻くばかりで、タイムリミットはすぐそこに、ややもせずあるのみだ。
大会で俺は第一区めを走る。
コケる訳にはいかないんだ。
俺の走りで、後に続くメンバーの走りが決まる。

一昨日、部長と一緒に一年のひとりに新部長にならないかと打診してみた。
戸惑う様子を見て、懐かしく思った。
去年の今頃、新部長に指名された今の部長に、副部長をやらないかと誘われた。
真面目に部活に参加していなかった俺に、なんで副部長なんて大任を、と反論すると、
紙の上でのことだから、もっと肩の力を抜いて欲しいと言われた。
それでも、副部長という肩書きは俺を部活にひきつけるのに十分な力を持っていた。
とにかく、俺がコケたら話にならないんだ。



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