リンク 4
大会までの日数を指折り数えるのにも飽きた。
数えずとも分かる。あと四日しかない。
俺は小さいときから喘息持ちで、母親が体を鍛えるために俺を水泳教室に入れた。
けれど、俺は水泳がどうしても好きになれなかった。
二十五メートル泳げるようになっても、バタフライができるようになっても、水泳が面白いとは思えなかった。
それでも小学生のときはスイミングスクールに通い続け、中学のあいだは水泳部にいた。
俺は、高校では絶対に水泳をやらないと決めていた。
面白みに欠けるから、というよりも、水泳に飽きてしまったからだった。
水泳部のない高校を受験した。
ところが、どういう因果か駅伝部に入ってしまった。
俺の目標は任された五キロメートル強を完走することだ。
五キロメートルも二十五メートルも俺には大して変わらない。
←|→ novelトップページ