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玄関を出ると、乾燥した風が鼻先を掠めた。
埃っぽい空気の中、簡単に体操をしてから日課の走り込みをする。
近所の公園までの道程だが、このコースは大会で僕が走るコースと重複している道が多い。
高校に入学してから駅伝部に加わり、走ることが日常の一部に取り込まれて、もうすぐ2年が経つ。
アスファルトが足に吸い付く感覚を自分のものにできたのはいつだっただろうか。
中学時代陸上部に所属していたという同級生に刺激され、せめて追いつこうと始めた早朝マラソンだが、これも引退してしまえばやめてしまうのだろうか。
そんなとりとめのないことを考えていたら、家へ戻っていた。
うかうかしてなどいられない。
今日から新学期だ。部活も再開される。
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