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正月。
御節をつまみながらの少し遅い朝食の席で、俺は駅伝の実況放送を見ていた。
息を切らせながら疾走する姿は皆一様に迫力がある。
「あとひと月もないんだ」
自分にだけ聞こえる声で呟いてみる。
俺は高校で駅伝部に所属している。
そして、今月末に控えた大会に向けて、半年以上前から練習を積んできた。
俺たちの出場する大会と言うのは、地元の行政が主催する小規模なものだ。
四十キロメートル近いコースを6人でつないでゆく。
しかしながら、ローカルテレビの取材も入るし、市外の高校や一般の団体も参加する地元では割とポピュラーな大会である。
今年は、俺にとって勝負の年だ。
大会が一月のため必然的に核となって動くのは二年生であり、俺は部長でもある。
何より二年生はこの大会が引退前の一番大きな大会となるので、皆気合が入っている。
できれば優勝したいところだが、せめて部のベスト記録を更新できればと思う。
勝負の時は、刻一刻と迫っている。
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